文楽初鑑賞の感想 -国言詢音頭-

先日、初めて文楽を鑑賞しました。
友人から誘われて、直前に軽くどういうものかを調べただけで突貫で観に行きました。

伝統芸能だし言葉遣いも昔の形で演じるっぽいし、正直楽しめるかどうか不安でしたが、結構内容は分かるものでした。ただそれも会場で舞台の上に字幕を投影して上演してくれるという劇場側の優しさからくるものでしたが。しかしそれがあるかないかで大違いだし、字幕には大いに助かりました。
でも言葉遣いは江戸時代かそれより前とかの大阪弁だったし、字幕もその通りに表示されるので、セリフや地の文を全部理解できたかと言われるとそれはなかなか難しかったです。

文楽は人形を人が動かすわけなんですが、複数人で一体の人形を動かしてて、それでいて動きがとても繊細。わずかな動きもそうだけど稼働する部分がとても多そうで動きが人間らしく滑らかでした。
人形を操っている人が複数だから息も合わせないといけないし、舞台上に登場人物が多いほど人がひしめき合うので、その中でそう見せる人形を操ってる人の技術には感嘆しました。

劇中、ストリートセリフを話す太夫と言う役目の人がいるのですが、1時間半の演目で3人かそのくらいの人数が交代で担ってました。
そして上演中はその間ずっとメロディをつけて、全員分のセリフに小説で言う地の文もすべて大声で演じっぱなしだからその体力と肺活量はすとてつもないと思います。

先述の通り私は初文楽鑑賞だったので、今回の演目がたまたまそうだっただけなのかは知りませんが、刀で人を斬るシーンで人形がちゃんと怪我したりする仕掛けとか、雨のシーンで実際に舞台上に水降らしたりとか、思った以上にごまかしのない表現方法に驚きました。
途中、顔の正面がパカっと斬られてしまう人形もいましたが、あれは何となくですがすごい出オチ感がありました(笑)

今回鑑賞した演目は「国言詢音頭(くにことばくどきおんど)」というものだそうです。
会場では時折笑いも起こり、堅苦しいイメージだったけど思ったより肩ひじ張らずに観られるものなのだなと今回感じました。
まあでもやっぱり個人的には正直なところドはまりするという感じではありませんが、今後もし機会があれば、その時は身構えずに足を運ぶことが出来る気がします。
今回は観に行ってよかったなーと、そう思える文楽鑑賞でした。

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