大人になってから学び直しをしてみたいと思ったことはありますか?
私は中学英語がままならず、「せめて義務教育レベルは身につけておきたいなー」と考えていました。
そこである日、市販の英語のテキストを購入して、中学英語の学習をし直そうと決めました。
私は中学一年生の時からつまずきがあり、「”三単元の s” ってなんだろう?」という感じです。
なので、それくらい基本的なことから学習する必要がありました。
そのためには本当に中学生向けの丁寧なテキストがいいと思い、探したところ見つけたのが、学研出版様から発売されている、
です。
このテキストを実際に最後まで学習したので、そのなかで感じたことをまとめました。
感想要約
- 本当に入門者向け
- 基礎レベルもあやうい人におすすめ
- 「基礎はまあまあ分かるけど復習したい」という人には物足りない
- 文法に特化したテキストなので、単語学習は別でやる必要あり
テキストの特長
一回2ページ
一回の学習単元につき2ページの構成になっていて、そのうち1ページは解説、もう1ページは練習問題になっています。
解説ページはまず文章で説明され、それを補完するように手書き風のイラストが添えられています。
どんな感じなのか写真を載せたいところですが、著作権の問題がありますので、イメージイラストを描きました。
イラストで文の形の変化や、疑問文や過去形などの場合は平叙文との違いも図解してるので、文法の構造が目で見て理解しやすいです。
ストーリー仕立ての例文はない
教科書やいろんなテキストでおなじみの、登場人物同士の会話文は、このテキストにはありません。
Tom : I’m fine !
こんな感じの会話の例文は載ってないです。
会話文はなく、ごく短い例文を用いて、文法の解説のみが書かれています。
基本的な形だけが書かれているので、むしろわかりやすかったです。
新出単語項目はない
このテキストには新出単語の項目もありません。
ですので、単語の学習のためには別のテキストを用意する必要があります。
(ただ、一部の単語については、単語ごとの語形変化をまとめたページが付録としてあります)
しかし、練習問題にて新出であろう単語が出てくることがあります。
その際は、問題の行下のスペースに新たに出てきた単語の意味が記載されてます。
例えば、以下のような形です。
(1) 彼はギターが上手です。
____________________________
ギター:the guitar 上手:well
なので練習問題を解くときに知らない単語があったとしても大丈夫です。
それに、そこで覚えてしまうことである意味単語の学習にもなる、という形になっています。
音声は女声と男声が半分ずつ
付属の音声は、練習問題の答えを読み上げてくれています。
練習問題を解いて答え合わせまで終わったあとに音声を聞く、という流れがこのテキストでの学習形式です。
この音声読み上げを、練習問題の前半は女声、後半は男声で収録されています。
復習テスト
学習、練習問題の単元をいくつか進めると、2ページ分の復習テストがあります。
そこまでに学習した内容についての出題があり、こちらも解答を読み上げた音声があります。
学習してみて
良かった点
本当に入門者向けの解説
解説ページは文章と図解で説明があり、イラストもよく使われているのでわかりやすくなっています。
上の方でも書きましたが、図解はとても丁寧でわかりやすいです。
また各単元で解説される範囲がピンポイントです。
要するに、内容が細かく分かれているため、一度に少しずつ覚えていけばいいという形になっています。
例えば、What を使う疑問文にしても、
- be動詞を使った What の疑問文「What is~」
- What を使って時下にゃ曜日を尋ねる「What time(day)~」
- 一般動詞を使った What の疑問文「What +”名詞”~」
の3つに単元が分かれています。
そしてそれぞれに解説ページ、練習問題が設けられています。
短時間学習で続けやすい
一回の学習は2ページ単位で、そのうち解説と練習問題が1ページずつです。
なので問題を解くのに時間がかからなければ、音声を聞いて発音する練習を含めても、おおよそ15分程度で一回分が終わります。
気になった点
テキストだけでは解けない練習問題
このテキストだけを使って学習していると初見では解けない練習問題が、一問だけありました。
特別難しい問題というわけではないのですが、特殊な用例でした。
どんな問題かを載せてしまうと触りがあると思うので伏せますが、簡潔に述べると「名詞が省略されている文」です。
これが特に解説されるわけでもなく、いきなりポンと問題に出て、さらっと回答が記載されているだけです。
これは推測ですけど、一回間違えさせて答え合わせで印象付ける問題のような気がします。
英語に苦手意識を持っていない人であれば、これまでの学習のどこかで触れて、頭に入っている表現とは思います。
しかし私のような、中学英語の勉強についていけてなかった人は頭に入ってないものと思います。
“the”, “a” がいるかどうか
練習問題に回答する際、名詞の前に “the” がつくのか “a” がつくのか、またはつかないのか、分からなくなるときがあります。
しかしこのテキストではその使い分けに関しての説明はありません。
答え合わせをしていくうちに、このテキストで出る問題に関してはなんとなく法則がわかってきますが、「ちゃんと知りたい」、「気になる」というなら自力で調べるしかありません。
まとめ
改めて言うとこの『中1英語をひとつひとつわかりやすく。』は、
- 英語の基本的な文法を、ほぼ忘れた人・わからない人
- 英文法の基礎の基礎から学びたい人
学び直しや復習として使うのに良い教材です。
また、現役中学生にとっては授業の補完としての自宅学習に使うとしたら、良いテキストだと思います。
初めて英語を勉強する人がこのテキストだけで学ぼうとするのには、新出単語や会話文などがないので向いていません。
それと、中1の範囲の内容はおおむね把握している、ということであれば、復習目的だとしても敢えてこのテキストを使う必要はないと思います。
なぜなら内容が入門者向けで、中1英語習得者が復習のテキストとして使うには問題強度がもの足りないと思われます。
良いテキストですが、学びたい人の学習状況、内容によっては不完全なこともありえます。
お近くの本屋さんに置いてるなら、一度中をパラパラとめくって確認してみることをオススメします。
用途は限られますが、中1文法が不完全だから復習したい、という人にとってはとてもよいテキストです。
学習の際に利用してみてはいかがでしょうか。
テキスト選び、購入の参考になれば幸いです。